ATD24 New Orleansに参加してきました。このコラムでは現地での学びをレポートします。
ATDカンファレンスは二回目の参加です。まだまだ初心者。毎回ジェネラルセッション内で参加回数別に立ち上がるパートがあるのですが、10回とか20回とか、ツワモノが多くてびっくりします。大きなカンファレンスを徹底的に楽しむにはコツがいるなあと思いましたので私なりのノウハウをご紹介しますね。
多くのセッションからどこに参加するのか?まずは、日本でATD-MNJ主催の事前説明会での情報に従って、有用そうなセッションを絞り込みました。ノウハウはこんな感じ。
また、海外からの参加者が多く、インクルーシブなのもATDの特徴です。
必須のセッションはInternational Orientation。海外からの参加者がわいわいと集まり、ATDカンファレンスの全体像も理解できます。特設されているグローバルビレッジに行けば日本人同士のコネクションが作れます。飲み物のフリーサービスがあるのも便利。ATD-MNJ主催の振り返り会が毎日最終セッション後に開催されるのもここです。
さまざまな海外のカンファレンスに参加してきましたが、non nativeに対してのやさしさというか、包容力がダントツなのがATDです。General Session(いわゆるキーノートセッション)では、必ず周囲の参加者と会話する場面が設けられますが、参加者みなさんnon nativeにもとても暖かく、L&Dにかかわる方々のInclusivenessが高いことを実感しました。英語に自信のない方でも安心して参加できます。
では、続けて私の印象に残ったセッションをふたつご紹介します。
まずは、こちらのセッション。なんとこの方の“Coaching Habit”をかつて全社員向けに実施したことがあり、この方のお顔をオンラインで15時間(?)くらい拝見していました。現在は“BPR=Best Possible Relationship”をどう築くのかというテーマで活動されています。キーストーンカンバセーションをまず自身に問うてみる、そして相手にも問うてみる。関係性は修復したり、維持したりする努力が必要というあたりに納得。
もうひとつ気になったのは孤独をとりあげたこちらのセッション。
孤独の経済的損失からはじまり、どう対処するのかを具体的に述べていました。日本は孤独担当大臣がいる数少ない国のひとつだそう。孤独というと私生活のみを考えがちですが、職場における孤独というものも無視できないのだと感じました。Work and Lifeなのではなくもはや Work as Life(仕事を人生の一部として考える)の時代。 前のセッションでもそうですが、一人の人間としていかに幸福度を高めるか、が仕事のパフォーマンスにかかわってくる。とすると、組織として何ができるのか、何をすべきなのか、考えさせられました。
多くのビジネスがそうであったように、L&DやTDの世界でもKPI重視の傾向が高まっていましたが、昨今は複雑な世界情勢を反映して単純な成果主義から、人間を中心に据えた考え方、人間性の時代がはじまっているように強く感じました。右肩上がりの結果を追うだけが全てではない、ビジネス界の判断基準が変わってきており、人材開発についても数値化だけではない人間性のアプローチが必要とされているようです。
セッションの合間には、日本からの参加者や、ATDMNJ理事の皆さんたちとニューオリンズを楽しみました。ミシシッピー川の夕日とJazz!Jazz!Jazz!!
というわけで、学びだけではない楽しい体験満載のATD24でした。
(追記)最終日に行った、The National WWII Museum は世界有数の博物館だそうで、Road to TokyoとRoad To Berline の展示は当時の米国が太平洋戦争とヨーロッパ戦線を同時に戦っていた、という事実を突きつけられました。
最後にまとめです。
来年ATD25はワシントンでの開催です。大統領選挙後の首都はどんな様子なのでしょうか。
文・写真:伊藤かつら理事
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